特徴
・田宮流は無駄のない動作と明確な精神性を持つ、合理的で美しい居合道流派です。
・「静」と「動」
・年齢に関係なくはじめられる
田宮流は、数ある居合道流派のなかでも動きの無駄のなさと美しさが際立っており、合理的で流麗な動作を特徴としています。一見シンプルに見える動きのなかにも、高度な技術や深い精神性が込められているのが特徴です。刀を抜き、斬り、納めるという一連の動作においても、一切の無駄を省き、常に最小限の動きで最大限の効果を得るように設計されています。
田宮流では、特に動作における「静」と「動」のメリハリを明確に意識しています。ゆったりとした静かな動作から一転して素早く鋭い動きを見せるその演武は、見る人に深い感銘を与えます。特に斬り動作の瞬間に見せるキレのある鋭い動きは、他の流派と比べても際立っており、武道としての実践的な面と芸術的な美しさを見事に融合させています。
さらに田宮流は、技術面だけでなく精神性や礼儀作法を非常に重んじる流派として知られています。稽古においても、技術的な完成度を高めるだけではなく、礼節や品位、精神的な成熟を目指して修練を積みます。稽古を通じて自己を見つめ直し、集中力や精神の安定を図ることが重視されており、他流派以上に精神的鍛錬が重要視されています。
このような精神性を特に重視する傾向は、「位の田宮」と称される由縁ともなっています。田宮流を修める者は、ただ単に技術的な完成を目指すのではなく、日々の稽古を通じて礼儀作法を磨き、自らの人格を高めることを目的としているのです。そのため、田宮流の演武や稽古の場には常に凛とした空気が流れ、技術的にも精神的にも高いレベルで洗練されたものとなっています。
こうした田宮流特有の技術的、精神的な特徴が、他の居合道流派とは明らかに一線を画し、国内外の多くの武道家や観客に愛され続ける大きな要因となっています。